園芸学部1年 河原崎 滉一郎さん

派遣先:エコメッセちば実行委員会・NPO支援センターちば

Q あなたが活動に参加した団体について教えてください。どのような地域課題に取り組む団体で、またどのような活動を行っていますか。

私は2つの団体で活動を行ってきました。

一つ目の「エコメッセちば実行委員会」は千葉県内全体の環境問題について取り組んでいる団体です。一番に大きな活動は、毎年9月に実施し今年度で19回目を迎えた『環境協働創造市、エコメッセinちば』の実施です。千葉県内で主に環境活動に取り組んでいる、企業や団体、学生、行政など多くの団体が出展するイベントで、お互いの活動について知り、協働のきっかけを提供しています。

また、エコメッセに出展している団体や、その他の団体・企業の協働を促進させるために、その団体・企業の交流を図る交流会を通年で実施しています。

もう一つの「NPO支援センターちば」は今回の実習で関わった部分では、柏の葉キャンパス駅前地域の住民間の交流や、柏周辺地域の農家との交流に取り組んでいます。平成26年度以前までは、年に約4回柏周辺の農家や農業団体、露店の出展する”マルシェ”を実施していたのですが、26年度以降はこのマルシェを小規模化し、毎月第1日曜日に”日曜マルシェ”として開催するようになりました。

エコメッセちば実行委員会>>
特定非営利活動法人 NPO支援センターちば>>

Q 実際にあなたが参加したのはどんな活動ですか。

エコメッセちば実行委員会では、先ほど紹介したような7月以降のすべての活動、7月から1月までの運営委員会や実行委員会に参加しました。その他にも交流会並びにその関連事業として、7月5日の”マッチングメッセ2014 第1回交流会”、7月25日の” エネルギーをテーマにした交流部会”(流会)、8月30日の”農業+福祉+エネルギー合同意見交換会”をなどなど、複数の交流会に参加しました。

実行委員会内では、エコメッセ当日のボランティアの募集・管理・運用に携わり、千葉・東京地域のボランティアセンターを訪問したり、実行委員会内でボランティアの人数の調整をしたりしました。

NPO支援センターちばでは、”日曜マルシェ”の当日の運営補助や、その準備の事務作業に携わりました。

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Q 活動に参加する前に設定した目標について教えてください。地域活動に参加するにあたり、地域・人々にどんな貢献をしたいと考えましたか。また体験を通じて何を学び、どんな点で成長したいと考えましたか。

エコメッセちば実行委員会の活動に対しては、多くの環境団体や企業の参加するエコメッセちばの開催に携わることとで、多くの団体との橋渡しや交流といった面から、環境に対する NPO の活動の一助になれたらと考えていました。また、私は高校時代に学校祭の広報部長を務め、パンフレットやインターネットを通じた広報を行いました。この経験を役立てたいと考えました。

NPO支援センターちばでも、高校在学中に生徒会活動を通じて得た広報の経験を役立たせられればと思っていました。また、NPO支援センターちばの活動である”ピノキオプロジェクト”を通じて次世代の育成にも関われればと目標を立てました。

Q それらの目標はどの程度達成できましたか。

エコメッセ2014inちば自体の広報活動には関わることはありませんでした。ですが、当日ボランティアの募集・管理・運用に携わり、その中で各ボランティアセンターを回ったり、地元の新聞に情報の掲載を依頼したりすることで貢献することが出来たと感じています。また、各交流会に積極的に参加し、私自身が能動的に動くことができました。成果としてはまだまだ結果にはつながらないかとは思いますが、少しは千葉県内の環境活動のマッチングの助けになれたのではないかと思っています。目標の達成度合いとしては60%くらいでしょうか。
NPO支援センターちばでは私自身の事前のリサーチ不足もあり、参加したのは希望していたな内容とは異なり、日曜マルシェとマルシェ関連の活動でした。しかしそれでも、予想以上に多くの農家の方などと関われ十分活動ができたと思っています。50%といったところでしょうか。

Q 今回の地域活動体験の中で、最高/最低な体験をそれぞれ教えてください。また、その体験から何を学びましたか。

エコメッセちば実行委員会での体験で一番良かった・最高の体験はやはりエコメッセ2014inちば当日です。その日、ボランティア受付に張り付いたままだったので、なかなか会場内を回ることは出来なかったのですが、来場者数は過去最高の1万2,000人を達成し、ボランティア受付から会場内を見渡しても非常に多くの方が来場していることが分かりました。このような大きなイベントに携わることが出来たのはやはり嬉しかったです。

NPO支援センターちばの日曜マルシェの手伝いも非常に良い体験だったかと思います。今まで実施してきていたマルシェよりも小規模である分、私自身も出店者の方と話をしたり、出店者の方から何かを買ったりすることができました。顔見知りとなった農家の方とは、隣駅の柏たなかの収穫祭でもお会いすることができました。人と人との繋がりを運営側に人間としても感じることができ、良い体験であったと感じています。

Q あなたの地域活動(ボランティア活動、NPO等の団体の存在意義)に対する理解を教えてください。それは実習前とどんな点が変わりましたか。

ボランティア活動やNPOの活動に対しての理解は、この授業を受講する前はほぼなかったと思います。それは私が中高6年間学校の寮で暮らしていて、閉じた環境で暮らしてきたことも関係しているかもしれません。ですがやはりNPOやボランティア活動は私達から見たら少し離れた、遠い存在であると感じてました。そんな中でも、NPOやボランティアとは、漠然と人の『思い』で動くのだろうとは感じていました。

それが、今回の実習で痛感したのは、地域活動にも”お金”の問題が避けて通れない、という事です。エコメッセの運営委員会では毎回のように予算・決算の話題が挙がっていました。どんなに良い活動であっても、高い目標があっても、資金の問題は避けて通れないというのが、よくわかりました。

Q 実習を終えてあなた自身、何か変りましたか。(あなた自身や他者、地域社会に対する評価、考え方、態度、行動など)

実習を通じての一番大きい驚きは、千葉地域で活動しているNPOやボランティア団体がどれだけ多いかでした。エコメッセちば実行委員会では、エコメッセ本体でも様々な企業・団体・学生団体・行政が出展していました。また、エコメッセとして出展したエコプロダクツでは、さらに多くの団体・企業の方と話をすることが出来ました。NPO支援センターちばでの活動でもそうでした。こちらでは本当にその地域単位の活動について知ることができました。

先ほど、「NPOやボランティア活動は私達から見たら少し離れた、遠い存在と感じていた」と言いましたが、今回の実習で私自身はNPOやボランティア活動に相当近づけたと思っています。また、地域社会との繋がりを大事にしている活動を知り、実際に手伝いをすることで、私自身もう少し自分の住んでいる地域に目を向けて行きたいと感じました。

Q 今回の地域活動の体験に満足していますか。それはなぜですか。

非常に満足しています。

どちらの団体の活動でもイベントを作っていくのは非常に楽しく、良い経験でした。それだけでなく、イベントや活動を通じて様々な方とつながることが出来たのが非常に良かったです。

この実習に参加しなければ知る機会ひとつなかった様々な活動や、アイデアについて知ることが出来、私もこれから関わっていけるのではないか、関わっていきたいと思っています。今後も今回の実習で得た繋がりが活かしていきたいと思い、楽しみにしています。

Q 今回の実習はボランティアとして行いました。このような活動を行うためには対価が必要ですか。必要であれば、どのような対価が得られれば他人に対してあなたの時間や労力を割いてもよいと思いますか。

正直なところを言うと、対価は必要だと感じています。

常に対価を支払う必要はなくとも、このようなボランティア活動に人が参加するにあたってのハードルを下げるという意味でも、お金に限らず、何かしらの対価は必要だと感じています。それは、エコメッセちば実行委員会のボランティア募集の際にも直面した問題でもありました。

例えば大学生や高校性に対してならば、単位を与える等の何かしらの対価を与え、それで活動に参加してもらうきっかけを作らなければその活動にどれだけやりがいがあっても、時間や労力を割こうとは思えないと思います。

Q 地域活動での体験はこれからの大学での学びにどのように関連すると思いますか。また大学での学びは地域活動にどのように関連していますか。

今回参加した活動では、両方とも農業に関連した団体や農家の方と関わることが多かったです。
私は園芸学部の食料資源経済学科に在籍しており、まさしくこれから専攻していく内容に合致している点が多かったように感じています。これから自分の専攻での学修でも、今後参加する活動でも、両方で経験・学びを活かして行ければいいと思っています。

専攻している授業から得られた知識を活動の現場に還元することもしたいと思うし、逆に、動を通じて知ったことをさらに大学での学びにフィードバックして掘り下げて学んでいくこともしたいと考えています。

Q 今後はどんなことに取り組んでいきたいと思いますか。

自分の専攻分野と参加した活動の分野は共通点が多いと思うので、学修成果を活動にフィードバックしたり、活動で得た情報を学修に活かしていきたいと考えています。
また、今後も特にエコメッセちば実行委員会の活動には、実行委員として参加していきます。なので今後も関連する活動や団体の一助になれればと思っています。

Q それでは最後に、来年度実習を行う後輩たちへ一言お願いします。

どの団体に入っても、自主的に、能動的に動けばやりがいも感じることが出来ますし、また、自分自身の学びとしても非常に大きなものが得られると思います。
地域活動体験は、いままで見えてこなかった地域の活動を知る良い機会になると思います。

最後に、エコメッセちば実行委員会は、いつでも実行委員を募集していますので、この授業にかかわらず興味を持ってもらえたら嬉しいです。