教育学部1年 岡本美咲さん

派遣先:NPO法人 あすみが丘国際交流(AIFS)

Q あなたが活動に参加した団体について教えてください。どのような地域課題に取り組む団体で、またどのような活動を行っていますか。

AIFSは、主として千葉市緑区あすみが丘を中心に、日本に滞在する外国人・留学生と地域の子どもたちや住民たちとの間の交流を支援するような活動を展開するNPO法人です。

また、交流だけでなく海外文化等に興味がある人々へ向けて紹介をするために大使館の方を呼んで勉強会を開催したり、日本語を勉強する留学生たちへ向け日本語教室を開いたり、さらには地域の環境を保護するために3R推進活動(いわゆる寄付による物々交換)を行ったりなど、様々な方面にわたり企画を展開しています。

NPO法人あすみが丘国際交流>>

Q 実際にあなたが参加したのはどんな活動ですか。

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土気高校での「留学生歓迎会」、「プラザまつり」、「あすみが丘子どもタウン」などのイベントに参加しましたが、そこでは留学生と日本人の高校生や子どもたちとの間を取り持ちながら、双方に楽しんでもらえるような様々な出店、ゲーム、パーティ等の企画・準備・運営・補助を行いました。

フランス文化勉強会の準備では、配布資料の綴じ込みや会場の下見、また、当日提供するフランス菓子について、文献を参考に話し合い決定するなども行いました。

そのほか事務作業では団体に寄付された文房具等の備品を整理しました。

Q 活動に参加する前に設定した目標について教えてください。地域活動に参加するにあたり、地域・人々にどんな貢献をしたいと考えましたか。また体験を通じて何を学び、どんな点で成長したいと考えましたか。

まず、留学生へむけて、何か目的を持ちそれを達成するために日本に来てくれる彼らのために、「来てよかった」と思ってもらえるように最大限のお手伝いをすることを目指しました。いわゆる有名な「日本文化」はもちろん、ガイドブックからは読み取ることのできないような日本のこと、そして日本語での交流を通してお互いに楽しみ、学びあうことを目標としました。

地域の人々へは、ひとりの大学生として、どんな分野に関してでも人のために役立つことをすることを目指しました。たとえば子どもたちに関していうと、すべてをやってあげるのではなく、たくさんの経験をするお手伝いができればと思っていました。

成長するという点に関しては、企画・運営する力、またニーズをうまくくみ取り求められていることを求められているときに適切に成し遂げ、判断力を身に着けるとともに決定力も自分のものにしようと活動に取り組もうと思っていました。

Q それらの目標はどの程度達成できましたか。

まず、留学生とともにに楽しみ、学びあう点についてはほぼ100%達成できたと思っています。ふだんなにげなく使っている日本語、また日本文化について振り返り見つめなおす経験にもなりました。「外国の方々と話す」という私にとってはあまり過去に経験のないことを通して、楽しみ方は万国共通なこと、伝わりやすさを考えて話すこと、当たり前だと思わないことなどたくさんのことを学ぶことができました。

地域の人々・子どもたちとの交流についても、丁寧な説明を心がける等、配慮するという姿勢を身に着ける必要があることを学びました。ただ子どもタウンですれ違いのトラブルや保護者の方々との意見の相違等があり、私の中では完全に成功したとは言えないので、達成度は80%といったところです。成長するという点に関しても同様ですが、後悔はあまりないのでこれも80%としたいです。

Q 今回の地域活動体験の中で、最高/最低な体験をそれぞれ教えてください。また、その体験から何を学びましたか。

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最高な体験はやはり、留学生と仲良く、そして思いやりをもって接することができる仲になったということです。プラザまつりの際、同じ的あてチームを担当したふたりの留学生に「一緒にできてよかった」と言われた時は最高でした。思いやりをもって接することで、コミュニケーションがはかれるのだなと感じた瞬間でした。

最低とうほどの体験はありませんでした。しいて言えば子どもタウンの際、多忙さから周りのことを見れず、留学生との連携があまりとれなかったことかなと思います。

Q あなたの地域活動(ボランティア活動、NPO等の団体の存在意義)に対する理解を教えてください。それは実習前とどんな点が変わりましたか。

おこがましい考え方でいまは反省していますが、当初はボランティアに関して、少し「やってあげる」という感じで考えていました。自分が誰かを助けてあげる、自己満足のような感覚があったのかもしれません。ところが経験を通して、本当に「学ばせていただく」という姿勢がボランティアにはぴったりだと感じました。助けてあげるのではなく、助けあう。ひとつのことから反省点がたくさんみえ、次に生かすよう自分で行動することもできる。将来に役立つ、大きな糧を手に入れたと思っています。暮らしを豊かにするために、NPO法人はなくてはならない存在なのだと感じました。

Q 実習を終えてあなた自身、何か変りましたか。(あなた自身や他者、地域社会に対する評価、考え方、態度、行動など)

一番変わったことは、周りを常に見るように心がけるようになったことではないかなと思います。今までは、文化祭等の実行委員を担当していても、自分の部署のことで精一杯だったりしました。オーケストラの指揮者のようにまわりすべてをみることができず、バイオリンパート内のことにしか目を配ることができていなかったような感じでしょうか。今回いろなことを同時に頼まれても、順序を立てながら順番に時に並行して、行動する大切さを学べたと思います。特に土気高校での留学生歓迎会では、もてなされる側ともてなす側の間として目を配ることも多く、次の行動など困ることも多くありましたが、私自身もすごく日本文化を楽しむことができ、とても良い経験になりました。また確認してから動くということも同時に学びました。ミスを防止するために必要なことと再認識しました。

Q 今回の地域活動の体験に満足していますか。それはなぜですか。

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とても満足しています。正直にいうと、ここまでたくさんの経験をさせていただけるとは考えていなくて、とても幸せな誤算でした。行事の企画・運営のみならず、自分でもあまり体験のなかった茶道や柔道等の日本文化を間近に体験できたこと、出会った留学生とプライベートでも遊びに行ける仲になれたこと、今でも連絡を取り続けている幸せ、また日本・千葉の魅力を再発見し伝えられる立場にいたこと、すべてが楽しかったです。私にとって未開の地だった緑区あすみが丘を案内していただけたことも、土気高校の生徒さんたちと仲良くなれたことも、企画のゲームはどんなものが盛り上がるのか、そして企画の幅も吸収でき自分の中に貯蓄できたことも、サークルの発表の場を作っていただけたことも、子どもたちとたくさん触れ合えたことも、すべてがすてきな思い出です。

Q 今回の実習はボランティアとして行いました。このような活動を行うためには対価が必要ですか。必要であれば、どのような対価が得られれば他人に対してあなたの時間や労力を割いてもよいと思いますか。

わたしはボランティアに対価は必要ないと考えます。自分の選択で行っている活動であるし、自分も吸収できることがたくさんあるのだから、それが十分に対価だと思っています。あえてお金を求めるのであるとすれば、必要な交通費や諸費等のみであるのかなと思います。報酬としてお金をもらうという考え方は、ボランティアをするという意思のあるものにとってしてはいけない考え方だと思います。

Q 地域活動での体験はこれからの大学での学びにどのように関連すると思いますか。また大学での学びは地域活動にどのように関連していますか。

自分自身が受け身の姿勢からいわゆる「攻め」の姿勢に変わることのできた大きな転換点だったのではないかなと思います。私は教育学部なので、将来教員になるうえで、奉仕の心、子どもたちと触れ合う姿勢、日本でない人との関わり方、そして地域の人や見知らぬ人とも一緒に協力してなにか一つのことをやり遂げる力は、大変役に立ちますし、なくてはならないものであると思います。この力の基礎といえる部分が今回の体験で身に付いたのではと思います。また、大学での学びはいろいろな知識を身に着けたという点で地域活動に関連していると思いました。話の糸口を広げることができる知識があると、初対面の人との話も進むと思うからです。

Q 今後はどんなことに取り組んでいきたいと思いますか。

今回の活動で終わりにするのでなく、ぜひ来年以降もこの活動に参加させていただきたい気持ちでいっぱいです。今後は、これまでの経験を生かして自分から行動していくとともに、学生視点での意見をどんどん提案していけたらと思います。また、お手伝いさせていただいたのでとても受け身だったことが多かった今回の体験でしたが、次は進んでできることを探していけたらと思います。企画段階から、長い年月をかけて、実行までうつすということに関わっていけたらと思います。

Q それでは最後に、来年度実習を行う後輩たちへ一言お願いします。

きっと実習に入る前は何をするのか、自分に何ができるのか、緊張もたくさんあると思います。私もそうでした。しかし、飛び込んでしまう勇気さえあればどうにでもなるといま実感しています。本当にいろいろな面で親切に助けてくださる団体の方々、連絡を取れば相談に乗ってくれる教授方、そしてなんでも相談でき助け合える同じ実習先に行く千葉大の仲間がいれば無敵です。ただ一つ言えることは、積極性が大切だということです。自分からなんでも吸収しようと動き、ここでなにが学べるのか、何ができるのかを常に考えながら動くことは、この実習に必要不可欠なものであると言えると思います。頑張ってください!