派遣先:NPO法人 まちづくり千葉
Q あなたが活動に参加した団体について教えてください。どのような地域課題に取り組む団体で、またどのような活動を行っていますか。
私が活動に参加させて頂いたのは、NPO法人まちづくり千葉という団体です。主に千葉の地域活性化に取り組む団体で、千葉をより楽しく、魅力の溢れる街にする活動を行っています。
具体的には様々な地域イベントを主催していますが、イベント開催の支援も数多く行っています。たとえば千葉市の「親子三代祭り」や「アロハフェスティバル」、毎月開催の「いい街千葉フリーマーケット」などですが、その他にも多くのイベントを主催、支援しています。
また、まちづくり千葉の拠点である「千葉市民活動支援センター(愛称:ちばさぽ)」では、市民活動やボランティア活動の情報を発信したり、それらの団体が会議などを行う場所を提供したりするなど、市民団体の活動を広く支援している団体です。
Q 実際にあなたが参加したのはどんな活動ですか。
8月から11月まで、様々なイベントで様々なボランティアをしました。特に印象深かったイベントが三つあります。
まず一つは、千葉市のいわゆる地域の夏祭りで、毎年千葉中央公園を中心に行われる「親子三代祭り」です。ここでは主に、スーパーボールすくいやくじ引きをしたり、記念写真を撮ったりできる屋台の運営として参加させていただきました。
二つ目は「千葉市民活動フェスタ2014」です。これは千葉で活動している様々な団体が集まって、千葉市科学館のきぼーる広場で行うイベントです。千葉のキャラクターである“ちはなちゃん”などの着ぐるみを着たりクイズラリーを運営したりしてイベントを盛り上げました。
三つ目は、「いい街ちばフリーマーケット」です。ここではイベントの本部の一員として、イベント実施の支援をさせて頂きました。このフリーマーケットは、千葉銀座通りで毎月行われているイベントで、毎回非常な賑わいがあります。このフリーマーケットには多くの団体が出店しているので、様々な団体との繋がることができる機会でもあります。実際、私はこのイベントで犬猫保護のボランティア団体と知り合うことができました。
Q 活動に参加する前に設定した目標について教えてください。地域活動に参加するにあたり、地域・人々にどんな貢献をしたいと考えましたか。また体験を通じて何を学び、どんな点で成長したいと考えましたか。
まず、地域・人々に対しては、主に以下の二つの点で貢献したいと考えました。
第一に、地域や人々に元気や楽しさを与えたいと考えました。私がイベントなどに一生懸命取り組むことによって、少しでも地域や人々が元気になったり、楽しくなったりすることができたらいいと思い、この目標を立てました。
第二に、地域の良さや伝統を継承し、未来に繋いでいきたいと考えました。自分自身が実際に地域のイベントに関わることで、そのイベントを知り、今後も参加していったり、参加する中で発見した地域の良さを継承したりしていきたいと思いました。そして私たちの世代がその伝統を受け継ぎ、さらに次の世代にも伝えていきたいと考えました。私一人の力は非常に小さいのですが、微力と無力は違うものであるという言葉を信じ、少しでも伝統を継承していく力になれたらと思い、このような目標をたてました。
そして私自身、体験を通して二つの点を学び、成長したいと考えました。
一つ目は、自分の地元である千葉についてもっと多くのことを学びたいと考えました。今回の活動を通して地域の魅力や課題などを学び、それらのことを考えて行動したり、人々に伝えたりできるようになりたいと思いました。また将来、千葉市の学校の教員になった際には、そのことを子どもたちに伝えられるようになりたいと考え、まずは自分を成長させたいと思いました。
二つ目は多くの人々と出会い、関わる中で、社会人としての常識やマナー、知識などを学び、人間として成長したいと考えました。この実習に入る前、NPO団体の方々やイベントに関係する様々な人々と多様な出会いがあるだろうと思いました。そこから多くのことを学び、社会人にふさわしい人物になれるように成長したいと思いました。
Q それらの目標はどの程度達成できましたか。
まず、地域・人々への貢献に関する点について、「元気や楽しさを与える」という目標は90%ほど達成できたのではないかと思います。「親子三代祭り」の屋台に遊びに来てくれた子ども達や、「千葉市民活動フェスタ2014」のクイズラリーに来てくれた人々、着ぐるみを着て会場を巡ったときに声をかけてくれたり、一緒に写真を撮って下さったりした人々の笑顔が非常に印象的で、やってよかったなと思いました。
「伝統」についての目標は30%ほどしか達成できなかったかなと思います。私個人として地域の魅力などを発見することはできたのですが、具体的に継承できたものはまだ無いからです。この目標に関しては、実習期間という短期ではなく、今後長い時間がかかるものと考えるので、達成できるよう励んでいきたいと思います。
次に、体験を通しての学びや成長に関する点について、「千葉のことを知る」という目標は60%程達成できたと考えています。今回の体験を通して千葉の活気や、人々の親切さなどを知ることができました。一方で、地域のイベントに参加する人が比較的固定されているということなどの、課題にも気付くことができました。ですが自分はまだ、千葉について十分に知り尽くすことが出来ていないし、これらの発見をして、自分が具体的にどの様に行動すればよいのかというところまでは考えが及んでいないので、60%程度の達成と考えています。
「出会いを通じた学び」の目標は、70%程達成できたのではないでしょうか。今回の体験の中で多様な人と出会うことができました。そこから多くのことを学び、自分自身も変わったと思いますし、以前よりも成長することができたと思います。しかし、具体的にはどのように成長することが出来たかということはまだ自分でも明確にわからないので、この目標の達成率は70%程度としたいと思います。
Q 今回の地域活動体験の中で、最高/最低な体験をそれぞれ教えてください。また、その体験から何を学びましたか。
今回の体験の中で最高だった体験は、11月23日に行われた「いい街ちばフリーマーケット」です。その日はいつもより出店者数・来場者数が多かったのですが、運営スタッフがいつもよりも少なかったために、とても忙しかったのです。その日、学生ボランティアが私しかいないと知り、「今日は少し大変になるかもしれない」と思ったのですが、実際はいつもよりも仕事が多いので充実していたし、大きなやりがいを感じることができ、非常に楽しかったです。この体験から、仕事が多いということはイコール「苦しみ」ではなく、むしろ状況によっては「楽しめる」ということを知りました。それ以降は自分から積極的に自分にできることを探し取り組んでいこうと考えるようになりました。
今回の活動の中で最低だった体験は、「親子三代祭り」での活動のときのことです。夕方から雨が降ってきたので、来場者も一時少なくなりました。屋台の中に雨が入ってきたトラブルなどもありました。ですが皆で協力し合い、ものを避難させたりしたことで、なんとか乗り越えることができました。このことから、イベントには常に不測の事態がおきる可能性があり、それに対処するためには、皆で協力し合うことが大切だということを学びました。
Q あなたの地域活動(ボランティア活動、NPO等の団体の存在意義)に対する理解を教えてください。それは実習前とどんな点が変わりましたか。
実習前は、私はボランティア活動は知識や技など、能力のある人のみが行えるものであり、自分にはそれほど縁がないものだと思い込んでいました。
しかし、「地域活動体験」という講義を通じ、実際にボランティア活動をしてみると、ボランティアをするために重要なものは、知識や能力ではなく、やる気と行動力なのだとわかりました。ボランティア活動は熱意がある人ならば誰でも行えるものであり、地域をよりよくしていくために、行っていかなければならないものであると思いました。
またNPO団体が、これほど自分の身近で活動しており、そのことを知らずに自分自身も、彼らのおかげでできていたことが多くあったことに驚きました。実習前は自分はNPO団体とは関わりのない生活を送っているとばかり思っていました。これからは行事やイベントなどに参加するときには、その裏側のことも考えていきたいと思いました。
Q 実習を終えてあなた自身、何か変りましたか。(あなた自身や他者、地域社会に対する評価、考え方、態度、行動など)
まず、何事にも積極的に取り組んでみようと思うようになりました。以前は、何かをしようと思っても、最初の一歩を踏み出すことがなかなかできませんでした。今回ボランティア活動に少し勇気をだして、一歩踏み出してみると、そこには自分の知らない世界が広がっており、様々なことを体験し、学べるということがわかりました。この経験を活かし、何事にも自主的に取り組んでみようと意識するようになりました。
また今まで以上に人と人の繋がりを大切にしたいと思うようになりました。自分の地元である千葉には、沢山の素敵な人がおり、そのような人々と今回の実習の中で知り合うことができました。今回お世話になった「NPO まちづくり千葉」の方々との出会いは素晴らしいものでした。人々との出会いを大切にし、このような素晴らしい人々と共に、素晴らしい地域をつくっていきたいと考えるようになりました。
あと、ものの裏側についても考えるようになりました。フリーマーケットや夏祭りなどの、楽しいイベントや伝統が成り立っている背後には、多くの人々の努力や知恵があるということがわかりました。これからはこのようなことにも意識をして、社会を見ていきたいと思うようになりました。
Q 今回の地域活動の体験に満足していますか。それはなぜですか。
私は非常に満足しています。理由はこの体験を通して、様々な素晴らしい出会いや学びがあったからです。先ほども話しましたが、私はこの今回の学びや出会いに本当に感謝しています。学生にとって貴重な“実践的な学び”ができました。大学での講義などは、たしかに、高校までの授業と比べれば実践的な内容ですが、やはり大半は教室で行われますし、学生がずっと受け手である授業です。ですが今回の「地域活動体験」では、校内から飛び出した、実践的なものであったので、非常に有意義な体験や学習をすることができました。
Q 今回の実習はボランティアとして行いました。このような活動を行うためには対価が必要ですか。必要であれば、どのような対価が得られれば他人に対してあなたの時間や労力を割いてもよいと思いますか。
今回のようなボランティアに必要な対価は、自分の活動が社会を改善していっているという実感や、充実感、人々からの感謝の気持ちがあれば十分であると思います。ただ、現実的に考えると、そのようなもののみでは生きていくことはできないので、これは地域活動を副業として行っている場合のみにいえることでしょうか。もしボランティア活動を専業として行うのであれば、生活するための金銭的収入という対価も必要ではないでしょうか。
Q 地域活動での体験はこれからの大学での学びにどのように関連すると思いますか。また大学での学びは地域活動にどのように関連していますか。
まず、今回の体験を通して自分の視野を広げたり、今までは知らず、考えてもみなかったようなことを知ることができました。この新たな視点や知識を活かしてより多角的な考え方を持ち、地域の課題や実際の社会の現実にも考慮しながら学んでいきたいと思います。
教室での学びは、地域活動をする際の基盤になると思いました。確かに、大学でのほとんどの学びは抽象的なものであったり、実際の社会の現状とは異なっていたりすることもありますが、それでもなお大学で学ぶことは、実際に社会に出て(地域)活動をする際に自分の行動や意思決定などにおける基盤になり得ると思います。なので大学での学びは、地域活動をする際の基礎になり、自分にとっての武器になるという点で地域活動に関連していると思います。
Q 今後はどんなことに取り組んでいきたいと思いますか。
今後は、地域活動だけでなく様々な活動に自発的に取り組んでいきたいです。大学の廊下に掲示されていた、本科目の受講生追加募集のポスターをみて、不安や迷いもあったが勇気を出して応募しました。その結果、沢山の素晴らしい体験ができ、その中に多くの貴重な出会いや学びがありました。勇気を出して一歩を踏み出してよかったと思っています。
じつは今、一番興味があるのは先ほどお話ししたペットの里親活動に取り組んでいる団体の活動です。これからこの団体の活動に参加したいと考えています。
Q それでは最後に、来年度実習を行う後輩たちへ一言お願いします。
「地域活動体験」の他の講義との大きく異なる特徴は、まず、何といっても実践的な学びができるということです。また、ここで得られる経験や学び、沢山の素晴らしい人々との出会いは非常に貴重なものであり、あなたの世界を広げてくれることと思います。それは一生ものの自分の財産となり、今後の学習に役立ったり、人生における武器になったりすると思います。私の実際の活動は非常に充実しており、派遣先の団体の方々も親切で、尊敬できる方々だったので、非常に楽しく活動することが出来ました。もしもこの集中講義を受講するか否かで迷っているのであれば、絶対に受講すべきであると思います。ぜひ、「地域活動体験」での様々な経験をし、多くの人々と出会い、沢山の素晴らしい学びをしてみて下さい。