東総地域の海風を最大限に活かした大規模洋上風力エネルギー産業の促進

概要

2012年から始まった銚子市沖でNEDO・東電共同プロジェクトにおける実証機(着床式、定格出力は2.4MW)と屏風ヶ浦

2012年から始まった銚子市沖でNEDO・東電共同プロジェクトにおける実証機(着床式、定格出力は2.4MW)と屏風ヶ浦

2017年6月17日(日)に銚子マリーナで開催したグローバル・ウインド・デイ2017のイベント

2017年6月17日(日)に銚子マリーナで開催したグローバル・ウインド・デイ2017のイベント

千葉科学大学危機管理学部環境危機管理学科では、2017年4月より「風力発電コース」を設置しました。このコースは、純国産エネルギーである風力発電における電力の安定供給を担うメンテナンスエンジニア(以後、“ME”)の育成を目的としています。風力発電のME養成には、電気、機械、土木、建築等の分野横断的な知識が必要となりますが、国内の大学においてこれに取り組んだ例はありません。

本プロジェクトでは、風力発電のME養成を行なうにあたり、メンテナンスの現場における知識や技能に関するニーズを把握する目的で、風力発電の運営と維持管理に実績のある銚子市内外の企業に対してヒアリングを行ないました。このヒアリング結果をもとに、今後のMEに必要な教育項目の整理を行ない、大学の学部教育のカリキュラムを作成すると同時に、課題や改善点についての考察を行なっています。

また、洋上風力発電事業は、漁業業者や自治体、地元企業、地域住民との合意形成が不可欠なため、様々な情報発信や、関係部局との意見調整を行っています。さらに、地域で風力発電事業を実施した場合の経済的効果や雇用促進効果等についても検討を行っています。


これまでの成果や今後の展望

これまでの調査、研究から、以下の点が明らかとなっています。

  1. 風力発電を大学の学部教育で扱う場合、既存の電気工学、機械工学、建築工学、土木工学、環境科学といった多種多様な学問領域についての総合的な知識と理解が必要であるため、これを学部教育にて効率的に行なうには、既存の学部、学科構成の枠を越えた新たな学科(例えば「風力発電学科」やより広い意味でも「自然エネルギー学科」等)の創設が必要です。
  2. より具体的に風力発電のME養成を行おうとした場合、その目的で最適化したカリキュラム(ME養成に必要な分野と内容を厳選したカリキュラム)の提供が不可欠です。
  3. 今回の調査・検討から、電気工学分野では「電気主任技術者第3種」、機械工学分野では「機械保全技能検定」の認定資格取得を目指した指導を行うことが、内容とレベルから判断して最適であると判断しています。
  4. 地域での洋上風力発電事業の導入に関しては、現在、銚子市役所、銚子漁協、銚子商工会議所等と連携をはかりながら、調査・研究を行っています。しかしながら、これに関しては、大規模な投資が伴うことから、より慎重に行うのと同時に、ビジネスモデルの作成等、総合的な調査・研究が必要であるとの結論に達しています。

基本情報

カテゴリー

人材育成、産業振興、若者定着

プロジェクトを展開している自治体名

銚子市

関わっている研究室名、教員名、企業、団体など

千葉科学大学 危機管理学部 安藤研究室 安藤生大

実施期間

平成17年4月~

プロジェクトに関連するホームページアドレス

NEDO:http://www.nedo.go.jp/fuusha/index.html
安藤研究室:http://windme.jp/

プロジェクトに関する連絡先情報

千葉県銚子市潮見町3番地
千葉科学大学 危機管理学部環境危機管理学科 安藤研究室 安藤生大